更新日 2026/03/15

引っ越しシーズンが近づくと、賃貸住宅の退去に関する相談が増えてきます。
その中でも特に多いのが、
「退去時に高額な請求をされた」
「これは本当に自分が払うべき費用なの?」
という疑問です。
実は、賃貸の退去費用には借主が負担しなくてもよいケースが多く存在します。
知らないまま支払ってしまうと、数万円から十数万円の損をしてしまうこともあります。
今回は、退去時にありがちな「本来は負担しなくてもよい費用」について解説します。
まず大前提として、賃貸住宅の退去費用は
**国土交通省の「原状回復ガイドライン」**に基づいて考えられます。
ここで重要なのは次の考え方です。
原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではないことを明確化しています。
通常の生活による劣化や損耗は、大家さんの負担。
つまり、普通に生活していて自然に起きる傷みについては、借主が支払う必要はありません。
借主が負担するのは主に次のケースです。
・故意または過失による損傷
・通常の使い方を超える汚れや破損
・契約違反による損傷
それでは、具体的にどんな費用が「払わなくてよい可能性がある」のでしょうか。
退去時トラブルで最も多いのが、壁紙(クロス)の交換費用です。
例えば次のようなケースです。
・家具を置いていた部分の日焼け
・自然な色あせ
・画びょうの小さな穴
これらは通常の生活で発生する劣化とされるため、基本的には借主負担ではありません。
また、壁紙には**耐用年数(一般的に6年)**があります。
6年以上住んでいた場合、基本的には価値はほぼゼロと考えられるため、
張り替え費用を全額請求されることは通常ありません。
退去時に「クリーニング代」として数万円請求されることがあります。
ここで重要なのは契約書の内容です。
契約書に
「退去時にハウスクリーニング費用を借主が負担する」
と明確に記載されていれば支払い義務が生じる可能性があります。
しかし、そうした記載がない場合、
通常の清掃レベルであれば借主が負担する必要はないとされるケースもあります。
特に次のような請求には注意が必要です。
・「一律クリーニング費用」
・「管理会社指定クリーニング」
契約書をよく確認することが大切です。
次のような設備の劣化も、通常は借主負担ではありません。
・エアコンの寿命による故障
・給湯器の老朽化
・フローリングの自然な傷み
・畳の変色
これらは建物設備の経年劣化と判断されるため、基本的には大家さんの負担になります。
退去費用トラブルを防ぐためには、次のポイントを押さえておきましょう。
入居したときの状態を写真で残しておくと、後のトラブル防止になります。
通常の清掃をしておくだけでも印象は大きく変わります。
退去立ち会いの際に、
「なぜこの費用が発生するのか」
を必ず確認しましょう。
納得できない場合は、その場でサインをせず持ち帰ることも重要です。
賃貸の退去費用は、
「言われた通り払うもの」ではありません。
本来は次のルールがあります。
・通常の生活による劣化は大家負担
・耐用年数を考慮する
・契約書の内容が重要
これらを知っているだけで、不要な出費を防ぐことができます。
引っ越しの際には、ぜひ一度確認してみてください。
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