更新日 2022/09/28
PERを活用する上で注意したい点はいくつかありますが、低いからといって必ずしも割安で買い時とは限らない、ということがあります。
PERが低い場合、例えば以下のような理由が考えられます。
1つには、利益が出ており業績が好調なのに、投資家から注目されず、株が買われていない状態。これはこれから株価が上昇する可能性があり、割安といってよいかもしれません。
また1つには、業績が振るわず株価が低迷しており、結果としてPERが低い状態。投資家がある企業の将来性を悲観的に捉えていれば、予想利益を積極的に評価せず、結果としてPERは低くなります。
たとえば、同じ業種で会社規模が同程度のB社とC社を比べてみましょう。
B社:PER=株価5,400円÷1株当たりの純利益300円=18倍
C社:PER=株価400円÷1株当たりの純利益50円=8倍
一見C社はとても割安のようですが、もしかしたら業界の革新スピードに追いつけていない、あるいは利益を生み出す力が将来的に落ちると予想されているのかもしれません。
一方で B社は、業界のシェアを書き換えるような画期的な技術を開発し、翌年から商品化が決まっていることから、その将来利益が織り込まれているという可能性があります。
つまり、目先の利益だけでなく「将来の稼ぐ力」も評価され、株価が上がりPERが高くなっている可能性もあるということです。
そうなればむしろ、割安なのはB社である、という判断ができることもあると思います。
PERは割安株をスクリーニングして、投資対象を絞り込むのに有用な指標ですが、万能ではありません。
購入前には必ず企業のHPやニュース、決算情報などもチェックして、本当に成長が期待できる会社かどうか、確認することが必要です。
イオン福島店 竹内