更新日 2021/09/12
「相続を放棄する」とは、
相続人が本来引き継ぐはずの財産・負債を一切受け取りません。
というものです。
この相続放棄は主に、預貯金や不動産などの「プラスの財産」よりも
借金などの「マイナスの財産」の方が多い場合に行われます。
↑ この債務超過で相続の放棄をする場合、
借金の返済義務を追わなくてよくなりますが、すべての相続を放棄するという事ですので
プラスの財産も一切受け取らないということになります。
では、生命保険はどうでしょうか。
相続を放棄した場合でも、死亡保険金を受け取れるのでしょうか?
こたえは、生命保険は「保険金受取人の固有の財産」となるので、
たとえ相続を放棄したとしても死亡保険金は受け取ることができます。
※ただし、注意点があります。
①生命保険金の非課税金額の適用を受けることはできません。
通常、死亡保険金は「残された家族の生活保障」という大きな目的をもつ遺産ですので
「500万×法定相続人の数」の金額が非課税となります。
相続を放棄した場合は相続人とはみなされないため、
こちらの生命保険金の非課税枠が使えなくなります。
例えば法定相続人が、妻・長男・次男 の3人。
死亡保険金受取人が、妻・長男 の2人だとします。
長男のみが相続の放棄をした場合、
長男は死亡保険金を受け取れますが、非課税枠の適用は受けられません。
放棄していない妻は「500万×3人=1,500万」まで非課税枠の適用を受けられます。
※相続を放棄した本人(例の場合でいう長男)は、非課税の適用を受ける事はできませんが
非課税金額を計算する際の法定相続人の人数には放棄した人も含めます。
②相続税の基礎控除は適用されます。
この基礎控除は、生命保険に限らずすべての遺産の総額に対して適用される控除です。
相続税の基礎控除⇨「3,000万+(600万×法定相続人の人数)」
遺産の総額 - 基礎控除額 = 差額に課税
例えば、法定相続人が 妻・長男・次男 の3人。
全員が相続を放棄した場合でも相続税の基礎控除は適用になります。
この場合、「3,000万+(600万×3人)=4,800万」となり、
死亡保険金が基礎控除の範囲内であれば、相続税はかかりません。
③相続税ではなく、贈与税や所得税がかかることもあります。
生命保険にかかるのは相続税とは限りません。
契約者と受取人によっては他の税金がかかる場合があります。
・契約者(保険料払っている人)が生きている場合、生命保険金は
「生きている別の人が、相続放棄した人への贈与」とみなされて
贈与税がかかります。
・契約者と受取人が同じ人の場合、生命保険金は
一時所得か雑所得として扱われ、所得税がかかります。
税金を間違えてしまうと、後日申告をやり直さなくてはなりません。
相続の場面で生命保険の存在がわかった際は、
その契約内容を必ず確認しましょう。
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